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寺宝のご紹介【西新井大師のご案内】

重要美術品

円山応挙 紅葉に孔雀図

  • 円山応挙 紅葉に孔雀図の写真

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葉を紅に染めた楓樹の下に、大きく羽根を広げた白孔雀。その足下に土坡(どは)に蹲(うずくま)るもう一羽の孔雀を表しています。

珠玉を連ねた団扇を開いたように羽根を揺らして舞う姿は実に華麗で圧倒されるばかり。孔雀は南アジア原産、特にインドでは霊長として神格化され、孔雀明王の信仰を生んでいます。

わが国への渡来は古く飛鳥時代。新羅からの献納に始まると伝え、その後孔雀請来の記事は散見されますが、数は希少で本邦で長らく珍鳥として賞玩(しょうがん)されました。写生派の巨匠円山応挙(1733-1795)は鳥獣の写生を好みましたが、これもまた綿密な写生に基づいて完成されたものなのでしょう。

本図は寿老西王母孔雀図三幅対の中の一幅で、中幅に記入された年記により、天明元年(1781)応挙四十九歳、壮年期の傑作であることが知られます。

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