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国宝

藤原忠通筆 綾地切詩序

  • 藤原忠通筆 綾地切詩序の写真

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平安期の遺墨の中に、美しく色染めした絹や綾の裂地を巻物に仕立て、詩歌を書いた断簡があります。絹や綾は耐久力が弱く、ほとんどが断簡として残っています。絹地切、綾地切の名で呼ばれ、大半は小野道風(894-966)や藤原佐理(944-998)の筆に擬せられるもの。中でも道風と伝えるものは、筆跡研究の結果、その真跡にまぎれもありません。

昭和59年春、新たな綾地切の残巻が出現。平安末期、四朝に歴事し摂政・関白をつとめた藤原忠通(1097-1164)の筆と伝え、巻末に別の一紙を継ぎ「法性寺殿真筆無相違物也輔方(花押)」(法性寺殿の真筆、相違なきものなり。輔方)という極めが付されています。輔方は応長元年(1311)に出家した従三位・非参議藤原宣方の子。「尊卑分脈」によれば宣方は「能書」と注記され、名うての能書家であったようです。輔方が父の伝授をうけ名筆を謳われたのは当然にすぎるのではないでしょうか。信頼ある輔方の鑑識のみならず、重厚な書風は他の遺墨(陽明文庫・東京国立博物館蔵)などと比較しても、忠通の筆跡と推断が可能。平安末期の敏腕政治家であり、法性寺流を創めた稀代の名筆、藤原忠通の真跡を伝える、まことに貴重なものであると言えます。

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